日勤帯でのナースステーションは
みんな処置やケアに出ているので殆んどガラガラ。
だからナースステーションで繰り広げられる物語は大抵
夜勤帯に起る。
よくあるのが急性期病棟にいた頃の話だ。
若い患者が(9時消灯じゃ眠れないよね…)話し相手を求め
ナースステーションに来て身の上話をするだとか、
カップラーメンを食べに来たりとか(当時は出来た)
失恋が原因で自殺未遂をした子が恋愛相談に来たり
なんてことも良く起きていた。
まぁ患者さんもその日の看護師の空気を読み取り、
わりと暇な時にナースステーションにやってくる(忙しい日は来ない)
看護師にとってはその時間は唯一ホットする瞬間で、
普段なら患者と世間話といっても長話をしている時間はないので
この夜勤帯は結構貴重な情報源だったりする。
もちろん、病気に対する不安を訴えることもあれば、
同室者の愚痴、看護師や医師の態度‥の話をしてくれる。
中には、それ系の人に「入らないか?」と言われているがどうしたら良いか??
なんて相談もあった。
当時「それ系」の人が入院していて、その子は同室だったので
知らないでよく話をしていたから誘われた様なのだが、
これはさすがに病院で問題となった。
それ系の人にはドクターから厳重注意&その子は部屋替えとなって事なきを得たが、
その後も要注意人物として看護師たちはマークしていた、なんてこともある。
だから夜勤のナースステーションは貴重な情報源なのだ。
ほのぼのする話では、
徘徊患者の相手を一晩中ナースステーションでしていたり(脱走歴がある)、
同じくディメンツの女性患者の話し相手をするなんてこともナースステーションではあった。
当時は彼女は80代、まさに戦争の時代を生き抜いてきた人、
夫は戦死?(あくまでディメンツ患者)
どこまで本当かは解らないが、その戦死した旦那を思い文をしたためたり、
夜中のナースステーションで和歌を詠むなんてほのぼの系まで繰り広げられていた。
夜間ナースステーションで起こる出来事はどれも印象に強く残っていて、
たまに思い出しては懐かしいなぁ…と感慨にふけっている。