私が転職して内科病棟で仕事をしていた時の話だ。
その頃「筋委縮性側索硬化症」の80代の女性が入院していた。
意思疎通は何とか出来る方で移動は車いす、食事も補助具を使えばほぼ自立摂取可能
排泄もポータブル介助で出来る患者さんだった。
当時、夜勤の看護師は彼女の受け持ちを恐れていた。
それは何故かというと日中はそれほどでもないのだが夜間のコールが頻回だからだ。
それもトイレコール!!下手すれば5分置きにコールが来る
…もちろん利尿剤など服用していない。
その方の夜間の担当になるとまるで仕事にならないのだ。
ほとんどの看護師はお手上げ状態(彼女専用夜勤者をつけようかと言う話にまでなった)
当然対策は行っていた。
昼間寝ないように離床を促したり…。
不眠が原因かと眠剤や安定剤を服用させたり…。
泌尿器系疾患かと検査を行ったり…。
本人も夜間トイレに立つのは負担だから入眠前は水分は取らない・・
しかもそれでもコールは変わらないのである。
毎晩5分・10分・30分置きにコール・コール・コール・・
(当然毎日それでは体が持たないので何日かに1回はがっつり寝ている)
当然、私も彼女を夜勤で受け持つことがあった。
噂通り5分・10分コールが来る。長くても1時間立たずしてコール。
当時私は彼女の部屋の前で記録をしながらコールを待っていたこともある。
しかも頻回にポータブルに座ってもおしっこは出ない。
…5分じゃね…水分飲んでないんだし…。
しかし、入院がしてからしばらくたつと、日により2時間・3時間コールがないことも(奇跡!?)
みんな???
そしてある特徴があることに気が付いた。
入院したばかりの時はよく不安でコールが頻回になる人がいる。
しかし彼女の場合は違うのである。
患者は患者なりに看護師を見ている。
暇そうだなぁ…(暇じゃないんだけどね)構って貰いたいなぁ…という時にコールするのである。
入院や急変でバタバタしている時にはコールはしてこない(千里眼!?)
ようは淋しいんだよね…気持ちは解らないでもないがこんな患者勘弁してほしい…。